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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第2章 次は、きっと−−−
「で、もちろん明日は凪くんにチョコ渡すんでしょ?」
「えっ、うーん……」
そう、明日はセント・バレンタインデー。
「まぁ……ね」
実は一つだけ問題があった
美和のマスクは予防の為ではない
「風邪ひいてるから、手作りはちょっと……」
「えーっ! そんなの貰えることに比べりゃなんてことないよ! どうせキスとかしてんでしょー?」
友人のテンションに苦笑。
相変わらずキスはない
あの事件の日から、一度も−−−
“まぁ、どちらにしてもだめなものはだめだしっ”
「という訳で!」
翌日の帰り道、美和は大声で切り出した
“……何がという訳、なんだ?”
凪は疑問に思ったが、それよりも美和が差し出した小箱の方が気になる
“これは……まさか……”
「本当は作りたかったんだけど、今体調がこんなんだから移しちゃ悪いなぁと思って」
凪は黙ってそれを受け取る
「その風邪の原因は……水族館か?」
「えっ、それは…わかんないけど……」
“確かに調子悪くなってのはあの後だけど……”
それを言ってしまうと凪はきっと謝ってしまう
凪のせいじゃないのに。