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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて



「……」

「いや、陽菜乃ちゃん、そういう問題では……」



訂正しようとする美和を、陽菜乃はいーから、と抑える



「ハァ……しょうがねぇな…ったく世話の焼ける……」



ね、と陽菜乃は美和に目配せをした



「お兄ちゃんにはコレが一番効くんだから」



妙に納得出来ない美和だが、凪が承諾したのでとりあえずは安堵する



「そうだ、陽菜乃ちゃん部活はもう決めた? 茶道部続けるの?」



美和と凪が進級したということは、陽菜乃ももちろん学年が上がる

今年から高校生だ

今までは中高で校舎や時間が違っていたが、これから委員会や部活動がない日は一緒に帰ることにしていた

凪は不機嫌になるが。



「うーん、これはまだ応募人数によるんだけど、野球部のマネージャーとかいいなって」



その言葉に、凪が一瞬反応する



「野球部ね……なるほど……」



美和ももごもごと曖昧な返事をしていた



“まだ引きずってるんだ、二人とも”



陽菜乃が地雷を踏んだのは、わざと。

野球部のマネージャーになりたいのは事実だが、そのためにもこの二人の反応を見なければならなかった



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