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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて
陽菜乃は母親と電話で連絡を取っていた
「……わかったわ。帰りはお母さんがお礼持って伺うから。」
「うん」
「くれぐれもご迷惑にならないようにするのよ」
母親はしつこいくらいに念を押してくる
「特に凪は……」
「お兄ちゃんは何もしないよ、お母さん」
陽菜乃はすかさず否定するが、母親は凪、凪と聞く耳を持たない
「まだやらなきゃいけないことあるから、もう切るね」
無理やり電話を切ると、陽菜乃は深くため息をついた
「いらっしゃい。ちょうど用意できたところなのよ」
朗らかな笑顔で迎える美和の母に、
「ありがとうございます!」
と満面の笑みで返す陽菜乃と、
「……」
少し困ったような顔で頭を下げるだけの凪
「ほんと、二人がこの家に上がるのはいつくらいぶりかしら」
そう言いながら、二人をリビングに案内する
そこには、美味しそうな料理が多く並んでいた
「お口に合わなかったらごめんなさいね」
「いえいえ、こちらこそ急に押し掛けてすみません。こんな美味しそうなお料理をいつもの二倍も作らせてしまって……洗い物はお手伝いさせて下さいね」
丁寧に受け答えする陽菜乃の横で、凪は気まずそうに席につく
「美和ー!」
「はぁい」
美和も加わり、賑やかな食事が始まった
「そういえば、この間は悪かったわね、凪くん」
食事も終わりに近づいた頃、凪に話題が振られた