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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて
「この間?」
聞き返したのは、“この間”の事件を知らない陽菜乃である
「いえ、別に……」
と答える凪の横で美和は
“後で教えてあげるから”
と陽菜乃に目配せする
「あの人、かなり頑固だから……」
母親がそう続けたとき、
ガチャ
「帰ったぞー」
ご本人登場
「なんだ、お客さんか?」
リビングのドアを開けて顔を覗かせる
瞬間、凪と父親の目がバチッと合った
「あ、お邪魔してます」
陽菜乃の挨拶に続き、凪も一応会釈をした
「久しぶりだね、陽菜乃ちゃん。高校入学おめでとう」
父親は凪から不快そうに目を逸らしながら言った
「ご両親が働いてて、お兄さんもアレだから大変だろう。いつでも来るといい」
と、本人を前にして大胆な発言をする
「……ありがとうございます」
お礼を述べたものの、陽菜乃の顔は少し引きつっていた
「……アレ、というのは?」
しかし、何も言わずに引き下がる陽菜乃ではない
予想外の反応に、美和の父親は顔をしかめた
「いや、まぁ……ゴホン……少々素行に難ありということかね」