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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて
星来は上から目線でムカつくが馬鹿ではない
ちゃんと引き際も心得ていた
“アイツとか美和みたいな奴もいるかと思えば、こんな馬鹿な奴もいる”
女って意味わかんねぇ、と凪はここ最近常に考えていた
「和泉くんのタイプってどんな子?」
凪はその質問に奈桜をチラッと見ると、わざとらしくため息をついた
“いい加減コイツをどうにかしねぇと”
あと一時間以上もこのままでは、女と言えどもキレて殴りかねなかった
「おい」
凪は前の席の男子に声をかけた
「えっ……」
前の男子は校内一の不良に声をかけられてかなりびびっている
「席替われ」
男子は目を泳がせた
「いや、でも……」
席順は先生に提出したから、勝手に変えるのは……と言いかけて、男子は顔を強ばらせる
肩に置かれた凪の手に強く力がこもったからだ
「し、失礼しました……」
必死に謝ろうとする
が、
「……替わってくれ……」
絞りだすような声で頼まれ、男子はそれ以上何も言わずに席を立った
「和泉くん!?」
さっさと自分の前を通り過ぎようとした凪の腕を、奈桜は慌てて掴む