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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて
「どうしたの? 奈桜、なんか嫌なこと言っちゃった?」
これみよがしに可愛子ぶる女生徒を見て、声をかけられた方もその理由に納得する
凪は女の腕を振りほどくと、
「好きなタイプとかくだらない話をする気はないが……嫌いなタイプはと聞かれたらまず間違いなくお前だって即答するだろうな」
と言った
「だからやめときなって言ったでしょ」
通路を挟んでの友人が小声で話し掛けてきた
「……」
俯きっぱなしで答えない奈桜に、さすがに諦めたかと、誰もが思った
だが−−−
“絶対心変わりさせてやるんだから……っ”
凪の態度は、引き際の悪い彼女のプライドに火をつけていた−−−
到着した空港の近くで昼食を取り、熊本城を初めとして観光をし、一日目は終了
その間、奈桜が凪に絡むことは全くなかった
“アイツ全然見かけなかったな。どっかではぐれてんじゃねぇのか”
凪も凪で、もう美和のことしかになかった
夕食に向かう際に見つけて声をかけようとすれば、
「今忙しいから」
とか、
「他の人とも仲良くね」
とか言うばかりで、全く相手にしない
凪の欲求不満は溜まっていく一方だった