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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて
「卑怯…だぞっ……」
「映画じゃねぇんだから、カッコつけてんじゃねぇよ」
そう言った凪の足元には、あの学生たちが転がっている
男の決めゼリフを待たずに殴りかかった凪は、あっという間に全員をノシてしまった
ガッ
「ぐぁっ」
腹を蹴られて、男が情けない声を上げる
どうやら彼は、止めを刺す前に相手をいたぶることに決めたらしかった
ガッ
バキッ
今度は指の骨が折れる音がした
次はどうしようかと脚を上げる凪
「わ、悪かった……頼む、もう……」
「もう、なんだ? 俺に喧嘩売っといて、この程度で帰れるとでも?」
男の懇願も凪の気持ちを余計逆撫でするだけ。
「……死ねよ」
冗談とも思えない言葉を吐いて更に痛め付けようとする
「きゃぁぁぁぁ!」
奈桜は目の前の状況に甲高い悲鳴を上げた
「なんだどうした!?」
「大丈夫か!?」
「おい、ケーサツ呼べ!」
様々な声が飛び交い、凪はその場に抑えつけられた
“あの人カッコいいな”
奈桜がそう思ったのは、中学三年生も終わりの頃。