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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて



ちょうど凪に“問題児”の札がつき始めた時期だった



「あの人そうとう怖いよ」

「でもイケメンでちょっとヤバいって、なんか逆に良くない?」



凪の暴力的な面を実際目にした者は忠告し、聞いただけの者は虜になってしまう

奈桜もその一人だった

初めて見た凪の姿

怒りにまかせ、躊躇なく人を傷つけるその姿に、奈桜は本当の恐怖を感じた



“あの人には近づきたくない!”



奈桜の気持ちは、最早180度変わっていた







−−−



異様な静けさに包まれた夕食

引率の先生は半分しかおらず、既に学年全員が凪の所業を知っていた



「謝れ」



警察に連れていかれた凪は、先生に無理やり頭を下げさせられる



「……」



だが、彼の口からはどんな言葉も出てこなかった



「まぁ、いいですよ。うちの生徒にも問題があったわけですし」



相手の先生はそう言って収める

普通なら傷害事件として訴えられてもおかしくないところだが、こちら側もタバコとかをやっているから、お互いの為に大事にはしない方向で、という相手の提案で話がまとまった



「お前は、明日家に帰す」



厳重注意で済んだ凪は、ホテルの急遽用意された別室でその旨を伝えられ、同意を示す



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