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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて
「夕飯取ってきてやるから、ちょっと待ってろ」
先生が凪を独り部屋に残して出ていっても、凪はずっと押し黙ったままだ
“美和……”
どうしようもなく、美和に会いたかった
過ちを犯した自分を戒め、そして受け入れてほしかった
“お前さえ肯定してくれればそれでいい”
凪は部屋を出て先生がいないことを確認すると、三組の部屋がある方へ、美和のいる場所へと向かう−−−
美和は孤立状態だった
“凪の彼女”という肩書きは、美和の性格に関わらずそれだけで人に恐怖を与える
美和が凪を擁護しようとすれば、それは逆効果だった
「凪……どうしてるかな」
美和はため息をつきながら呟く
ルームメートは他の部屋へ行き、その言葉を聞く者はない
することがないので、ぼーっとするしかなかった
“……?”
なんだか、廊下が騒がしい
かと思うと、
ピーッ
部屋のカードキーでドアのロックが解除された音−−−
“まさか……ね”
「美和」
案の定、そこにいたのは凪だった
「どうやって入ったの!?」
カードキーは一枚を美和が、もう一枚は−−−