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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて
「お前の部屋の奴捜して借りた」
“そんなことだろうと思った……”
あの子、怖かっただろうな、と思った瞬間、美和の頭にありもしない疑問が浮かんだ
「……脅して?」
そして、それを言葉に出してしまう
聞かれた方はかなりショックを受けた顔をした
「お前……お前の目にも、俺はそういう風に映るのか?」
“俺はお前にも裏切られたのか? それとも……俺がお前の信頼を裏切ったのか?”
凪は美和に背を向け、部屋を出ていこうとした
「待って!」
呼び止められ、振り向きたい衝動を抑えることはできない
美和は、まっすぐに凪を見ていた
いつもの強い瞳で−−−
そして、いつものように−−−
「どうしてあんなことしたの?」
凪を信じているからこその戒め
恐怖による責めでも、頭ごなしの非難でもない
唯一凪の真を見るその瞳が、どれだけ凪を安堵させるか
「……カッとなった」
「最近は抑えてたと思ったけど?」
美和は何があっても臆さない
「もう無理だった……俺には無理なのかもしれない」
もうこの世界から抜け出すことはできない
抜け出すことは、許されないのか−−−