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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて



お前の父親も学校の奴らも、母親も−−−



「誰も俺を信じない……っ」



俺自身さえ−−−



「あいつらは、俺を恐れると同時に変わらないように望んでいる……!」

「そんなことない!」



美和はたまらず叫んでいた



「そうだろ! 事実俺は何も変わってない!」

「凪!」



美和は凪の手を掴んだ



“凪…震えてる……

凪がこんなに取り乱すなんて……”



信じられないというのは、そんなにも辛いことなのか−−−



“でも、私は……”



美和が口を開きかけたとき、凪が動いた

ゆっくりと美和の体に腕をまわし、抱き締める−−−



「お前さえいてくれたら…それでいい……」



その言葉に、美和の中で何かが弾けた



バシッ



「……!」



平手打ちを食らって呆然とする凪



「私は凪を信じてるよ……っ

でも私だけなんて許さない!」



もっと皆を信じなよ

美和は赤く染まった凪の頬に触れた


「本当の自分を見せて。いつかきっと分かってくれるから」

「……何が本当の俺か分からない」



そう言って再び美和を引き寄せ、その唇に強引に口づけを−−−



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