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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第4章 素晴らしかったわ



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一時間ほどで陸の通う大学院に到着する



「着いたぞ……凪?」



隣を見た陸はあっけにとられた



“凪が人前で寝るなんてなぁ”



しかも自分の前で。

静かに寝息を立てている弟をじっと見つめる

昨日はあまり眠れなかったのだろう、熟睡しているようだった



“起こすのも可哀想だけど、僕もやることあるからなぁ”



仕方ない、と思いつつも陸が取り出したのはスマホである

にこにこしながら、ぱしゃり。



“凪熟睡中”



写真を添付し、陽菜乃にメールをした



“次いつ見れるか分からないから、もう一枚撮っておこう”



陸は再びスマホを凪に向ける−−−

そこには、弟の可愛い寝顔……ではなく、ものすごい形相で睨む凪の姿があった



「あれ、起きたんだ」



何事もなかったかのようにカメラを向けたまま微笑む陸



「……何してんだ?」



凪が怒らないはずがなかった



「いや、ごめんごめん。起こすつもりはなかったんだよ。もっと熟睡してるかと思って」



陸は笑って謝るが、



「そういうことじゃねぇよ!」



凪が腹を立てているのは起こされたことではない



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