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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第4章 素晴らしかったわ



陸はつらつらと続けた



「まぁ、僕は当番じゃなくてもいるけどね〜」



凪は一瞬陸に乗せられかけたが−−−



「……」



“ちょっと待て!”



「それって、お前と相部屋ってことじゃねぇか!」

「あ、気付いちゃった〜?」



誤魔化せなかったかぁ、と笑う陸



“知らない奴といる方が百倍マシだ……”



「そんな嫌な顔するなよ〜。一つ屋根の下で暮らす僕とお前の仲だろ?」

「誤解を生む言い方するな!」



大声を出した凪を、陸はしーっと制する



「この建物内では騒ぎ起こすなよ」



……誰のせいなんだか。



「ここだよ、僕たちの部屋」



中に入ると、割と広い畳部屋で、テレビなどもついている



“これは帰ってこなくなるわけだな”



ヒステリーな母親や怒りっぽい弟がいる家よりも、ここの方が居心地が良いに違いない



「僕はまだやることあるから、テレビでも見て待ってて。シャワーは浴びてもいいけど、洗濯機はないから。あ、修学旅行用の部屋着とかあるか」



陸は一人で勝手に話して終わらせると、凪を置いて出ていった



「フゥ……」



やっとゆっくり出来る

凪はごろりと横になった



“美和は……今頃長崎の市内観光か”



カッコいいだの怖いだの、勝手なイメージをつけて騒ぐ奴らから離れられたのはいいが、彼女がいないとやはり物足りない



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