この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第4章 素晴らしかったわ
陸はつらつらと続けた
「まぁ、僕は当番じゃなくてもいるけどね〜」
凪は一瞬陸に乗せられかけたが−−−
「……」
“ちょっと待て!”
「それって、お前と相部屋ってことじゃねぇか!」
「あ、気付いちゃった〜?」
誤魔化せなかったかぁ、と笑う陸
“知らない奴といる方が百倍マシだ……”
「そんな嫌な顔するなよ〜。一つ屋根の下で暮らす僕とお前の仲だろ?」
「誤解を生む言い方するな!」
大声を出した凪を、陸はしーっと制する
「この建物内では騒ぎ起こすなよ」
……誰のせいなんだか。
「ここだよ、僕たちの部屋」
中に入ると、割と広い畳部屋で、テレビなどもついている
“これは帰ってこなくなるわけだな”
ヒステリーな母親や怒りっぽい弟がいる家よりも、ここの方が居心地が良いに違いない
「僕はまだやることあるから、テレビでも見て待ってて。シャワーは浴びてもいいけど、洗濯機はないから。あ、修学旅行用の部屋着とかあるか」
陸は一人で勝手に話して終わらせると、凪を置いて出ていった
「フゥ……」
やっとゆっくり出来る
凪はごろりと横になった
“美和は……今頃長崎の市内観光か”
カッコいいだの怖いだの、勝手なイメージをつけて騒ぐ奴らから離れられたのはいいが、彼女がいないとやはり物足りない