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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第4章 素晴らしかったわ
「あなた、誰?」
質問をしながら凪の方へ近づき、机越しに身を乗り出す
「あっ、もしかして匿うって言ってた和泉くんの弟!?」
大声を出されてうるさいと思ったのか凪は視線を外した
「名前は?」
「……凪」
ふーん、と言いながら女性は眼前の若人を舐めるように見ている
「……それ、私のなんだけど」
不快感に顔を背けていた凪は、サラダのことだと思い、
「ああ、悪い」
とそれを差し出した
「プッ、それじゃなくて」
その言葉に顔を上げ、女性を見る−−−
と、彼女が指し示していたのは、例の画面だった
「……ああ、そうか」
凪は極めて冷静にそういったが、その目が泳ぎ、彼の動揺を伝える
「こういうの、見慣れないのかな?」
それを読み取ったのか、女性はにっこりと笑い、凪の方へ回り込んできた
目の前に座り込むと、ミニスカートの間から見えそうで見えない状態と、女子高生にはない豊満な胸を強調する
「凪くん……ハジメテはまだなのかしら?」
その瞬間、凪の顔が強ばる
凪も人並みに興味はあったものの、美和にたどり着くまで“それ”を望む相手には巡り合わなかったし、女を無理矢理というのは外道のすることだという考えの持ち主