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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第1章 俺を裏切るな!
自分でもよくわからない
ただでさえ熱で少し朦朧とする頭に一気に血が昇った
気が付くと、美和にキスをしていた
−−−愛のあるものじゃない。無理矢理奪うようなキスを。
“お前を俺のものにする……完全に”
やめろという声がどこからか聞こえる気がするが、これは不可抗力だ
美和の体を組み敷くと、その首筋に顔を埋めた
“お前を……抱きたいっ”
「きゃぁあぁぁ!」
美和の叫びにはっと我に返る凪
慌てて美和の上から退くと、
「ぅ……」
自分がしようとしたことに対して込み上げてくる吐き気を必死でこらえる
「凪……」
バシッ
凪は触れようと伸ばされた美和の手を弾いた
「触るな……」
“お前にそうしてもらう権利なんかない……”
俺は……何一つ変わっていないのか
「凪、熱が上がってるみたい」
少し間を空けて今度はしっかりと背中に触れてきた美和の手にびくっと体を震わせる
そのまま美和に誘われるように横になると、彼女は俺の頬を包んで言った
「もう寝て……」
そんな権利はと思いつつ、熱を持った体に彼女の手の冷たさが心地良い
“美和……お前は優しすぎだ…な……”