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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第5章 貴女の全てを愛します
ゆかりの行動が何を意味するかが分からないほど鈍くはない
“好き……なのかな”
陸は童貞ではなかったが、男としてその身体に惹かれてしまうのも事実
その潜在意識もあってか、憧れが愛情に変わった
「分かったかしら?」
後ろから飛んできた声に驚いて振り向く
「ゆかりさん!?」
裸体にバスタオルを巻いたゆかりに慌てる陸
「私は……好きよ」
それは嘘だった
ゆかりの興味は、実験と男の“身体”にしかない
「僕も……好きです」
そう答えた瞬間、ゆかりにキスをされる
「嬉しいわ……」
ゆかりは自分の思惑通りに事が運んでいることにほくそ笑んだ
が、すぐに身体を固くした
陸に抱き寄せられ、耳元でこう囁かれたから−−−
「僕も男です。貴女と一つになりたい。
でも勘違いしないで。僕が欲しいのは、貴女の身体じゃなくて、心です」
自分と全く逆のことを言われた
「その上で、貴女の全てを愛します」
そして彼は、ゆかりを抱いたのだ
言葉通り、全てを愛す様に−−−
「大丈夫ですか?」
静かに涙を流したゆかりに驚く陸