この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第5章 貴女の全てを愛します
それは陸を信じ切ることのできない自分への怒りだった
“全部演技なのではないか”
“いつか離れていってしまうのではないか”
身体の関係ばかり求め求められてきたゆかりには、そんな不安が付き纏っていた
そしてその不安を解消する術を、彼女は一つしか知らなかった−−−
「なぁ陸、ゆかりさんてくそビッチだな」
「は?」
陸はある日同級生から言われた言葉に衝撃を覚えた
「それ、どういう意味?」
「いや、なんか昨日すげー誘ってきてさ。お前には申し訳なかったけど。
でも俺、昨日ので確信したよ。あの人いいもん持ってんなぁ。お前もそれに気付いたから近づいたんだろ?」
陸は即座に否定する
「おいおい、まさか何も知らないで付き合ってたのか?」
傍で立ち聞きしていた先輩も会話に入ってくる
「あの女、ヤリマンだぜ? 毎晩とっかえひっかえ男連れ込んでよぉ。俺も何回かしたことあるし」
最高だよな、という話題で二人は盛り上がっていた
“ゆかりさんが僕を裏切った……?
いや、最初からそのつもりだった?”
確かに彼女は身体の関係を気にしすぎるところがあった