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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第6章 そして甘い口づけを
最後の方で陸の顔が曇ったような気がして、凪は陸を見つめた
「そんなに見るなよ、恥ずかしいなぁ」
視線に気付いた陸が発した言葉に
“気のせいだな”
とため息をつく
「で、どうするんだ。これから美和のとこに行くのか?」
「馬鹿、今日はダメだよ。僕たちは自分の部屋に帰ろう」
そして、再び凪の肩に手を回した
「やめろ、気持ち悪い。自分で歩ける」
相変わらずふらふらしているが、踏張って歩きだす
「つれないなぁ」
陸も後に続く
部屋に着くと、電気はついているがかなり静かだった
「結構時間経ったから、もう寝ちゃったかな」
陸は陽菜乃の部屋を覗きに行き、凪も自分の部屋に戻る
ガチャ
「誰だ?」
暗闇の中に浮かぶ人影に身構える凪
「凪……?」
「美和!?」
前に進み出て廊下の灯りに照らされた姿に驚きの声を上げる
「お前…なんで……」
「凪!」
美和は立ち尽くす凪に駆け寄って抱きついた
「馬鹿……っ」
自分にすがるようにして涙を流す美和を、凪も優しく抱き締める
「悪かった……」