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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第6章 そして甘い口づけを
この先一生拝めないであろう美男子の姿に女子は総立ち状態だった
「まず男子! 多くの女性のハートを射止めたのは……」
鳴り響くドラムロール
会場全体が息を詰めて発表を待つが、結果は目に見えていた
「二年二組、和泉凪さん!」
全ての照明を向けられ、凪は眩しそうに目を細める
「前へどうぞ!」
ハァ…
「あの……?」
仕方なく前に出る凪
「では続いて、女子の発表に移ります!」
ダララララ…
「一年三組! 和泉陽菜乃さんです!」
「なっ!?」
衝撃の発表に兄妹は顔を見合わせる
観客も同じ苗字の二人に騒ついていた
「では、伝統のキスを!」
スポットライトの中で向き合う二人
真っ白な凪と、黒いドレスに身を包んだ陽菜乃
「どうしましたか!? さぁ、恥ずかしがらないで!」
「いや、これは倫理的に問題が……」
抗議しかけた陽菜乃を置いて凪はスポットライトの外に出てしまう
「俺はお前らの言うことを聞く気はない」
「えっ」
急に腕を掴まれ光の中に引き入れられた美和は呆然とした
一瞬前に全てを理解していた陽菜乃はもう既に一歩下がっていた