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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第6章 そして甘い口づけを



「凪くんたちは元気?」

「ええ、お陰様で。あなたのことなんかもう気にも留めてませんよ」



この言葉にはさすがのゆかりも傷ついた顔をした



「そう、寂しいわねぇ……」



残念そうに呟くと、



「もう一人はどうかしら」



すぐに笑顔に戻って質問を重ねてくる



「もう一人……陸にぃのことですかね」

「そう」



お待たせしました、という声と共に紅茶とナポリタンが運ばれてきた



「陸にぃのことならゆかりさんの方がよく知ってるでしょ。毎日会ってるんだから」

「彼、私には本心見せてくれないんだもの」



……見せると思っているのだろうか



「あなたと陸にぃの間にあったことは聞きました。別にそれに関してどうこう言うつもりはありませんけど」



陽菜乃はフォークに伸びたゆかりの手を抑えつけた



「本当に申し訳ないと思ってるなら、もう私たちに関わらないで下さい。二度と」



ゆかりは全く動じずに陽菜乃の手をそっとどけた



「申し訳ないけど、それは無理よ。

だって和泉く……陸くんには毎日会ってるんだもの」

「くっ……」



にこりと笑って見せるゆかりを陽菜乃は悔しそうに見つめる



「それにしても、意外と乱暴なのね。痛かったわ」



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