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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第7章 さようなら
“……”
「そっか。ならいいや」
陸の気持ちを察して、それ以上は追及しない
「行ってきまーす」
「いってらっしゃい」
クリスマスは、もうすぐそこ−−−
12月24日
聖なる夜−−−
『7時までには帰る。飯はいらない』
凪からのメールを見ながら陽菜乃は溜め息をついた
そのまま愛の夜をとは言わないまでも、予定よりも遅くまでデートすることになったらしい
“パパとママは仕事だし、陸にぃもどっか行っちゃうし”
「くりぼっちじゃん!」
−−−その男は珍しくスーツ姿で高級レストランの席に座っていた
「宜しければ、先にお飲み物をいかがですか?」
「ああ、はい」
男は何となく返事をしたが、店員の説明は全く聞いていない様子
「あの……」
「はい」
「やっぱり連れが来てからで」
「あ、かしこまりました」
店員が下がると男は再び物思いに耽った
男の瞳に映る蝋燭の炎が揺れる
まるで彼の心を表すかのように−−−
「待った?」
声をかけられた男は一呼吸置いてその女性に返事をした