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色んなコトしましょ
第2章 『わがままな犬』
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三日後、受付にいる彼女と一言も口をきかずに、俺は借りていた本を貸し出し袋に入れたままで返却した。
あの小説を俺が受け取ってから、彼女はどんな想いだったのか。
「変態、と噂されるに決まっている。」
「小説を読んだ男が思い上がって、自分を強姦しに来るかもしれない。」
しかし、三日ぶりに会った彼女から何か変化を感じることは出来なかった。
ただ、貸し出し口で俺と目が合った瞬間に、ほんの一瞬動きが止まったように見えた。
いやそれも気のせいかもしれない。
そもそも彼女があの小説の作者だと決まったわけではない。
まあ、もしかして全部俺の思い違いだったら、逆にあんな小説を返却した俺が変態扱いだな。
でも、俺は確かにあの小説を彼女へ返した。
俺が続きを書いたあの小説を。
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