この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
色んなコトしましょ
第2章 『わがままな犬』
いや違う、残されているのはそれだけじゃない。
『わがままな犬』。
忘れていた。
俺は彼女が訂正したであろう続きを確認していない。
『「待っています。」』の後が、がらりと訂正されていた。
『私は図書館の近くにある公園へと夜遅くに向かう。
この広い森林公園は有名な「ヤリ場」だった。
暗く星と月の明かりだけに照らされた公園から、男女の秘密めいた声が聞こえる。
声は時たま、静かな呻きのようなものも混じっていた。
覗き魔が、そこかしこにいる。
「待っています。」
私はご主人様と同じ言葉を、彼らにかける。
そして、私は暗闇に変な明るさで光る公衆トイレへと足を向けた。
初めて入る男子トイレはいやに汚く、小便の匂いがした。
私はわがままな犬。
ご主人様が来るまで、拾い食いがやめられない。』