この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
くちづけを待ってる
第1章 読み切り短編


このひとと知り合って、もうすぐ一年。

秋雨の降る、日曜日の午後の人気ない美術館。
それが、最初のデートだった。

はじめは、軽い付き合いのつもりでいた。

わたしは二六。彼は四二。

年もずいぶん離れていたし、容姿だって、同世代の男友達に比べれば目を見張るほど素敵、というわけでもない。

でも、彼には同世代の男性にはない、深みと落ち着きがあった。
知性と余裕があった。
おだやかで、物静かで、なによりもわたしを大人にしてくれた。



わたしにだって、セックスの経験はあった。
でも、ほかの誰も、彼のように愛してくれる人はいなかった。

でも、若い彼らのせいばかりではない。

―――わたしも幼かったのだと、いまでは判る。
彼らとおなじように。

わたしも彼らを喜ばせるために、わざとらしいため息をついたり、逝くフリをしたりもした。



彼の指先が、わたしの顎を捉える。

彼は、ちいさな水跡を見つめている。

わたしの頬についた、自分の亀頭から漏れ出た愛液のしずく。

“綺麗だよ”

その目が語ってる。


彼とのセックスには、そんなつまらない芝居の介在する余地がない。

たとえ着衣のままであっても、わたしは心の底から、裸に剥かれる。

そしてまた、彼も、何も隠す物なく、裸になってくれる。

年の差や、容姿など、セックスという言葉を越えたコミュニケーションの前では何一つ意味がないのだ、ということを、彼はわたしの心に刻んでゆく。
/7ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ