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くちづけを待ってる
第1章 読み切り短編

わたしの唇のほんの手前に、彼はその固い勃起を差し出す。
亀頭が、てかてかと光るように張りつめている。
そのまま、わたしに、ゆだねてくれる。
わたしはそっと、やわらかい舌を伸ばして。
先端の割れ目の、透明な雨滴をそっと舐めとる。
舌先にかすかに海の香り。
そのまま舌を離すと、鈴口から彼の愛液が伸びて、光る橋になる。
わたしは口をすぼめて、彼の蜜を吸い取る。
すごく卑猥で、いやらしい行為。
きっと昔のわたしには、想像もできない行為。
亀頭が反応して、どんどん硬く、大きくなる。
とっても素敵。
たまらなく愛おしい、素直な反応。
だってそこには、嘘がないから。
そこには、たった1ミリの嘘もないから。
かすかな目線としぐさだけで、ふたりともこんなにもあふれて。
そろそろお口に含んでも?
眉間にしわを寄せて、快感に耐えている彼に、目で訊く。
答えを待たなくていい。
ちゅぷっ、って先端にキスして、そのまま唇のなかににゅるりと彼を迎え入れる。
わたしの温かなお口で、彼の熱くたぎったものをゆっくりと吸い込んでゆく。
わたしの中で、大きく硬く、深く香り立つ。
この匂いと味だけで、すっかり濡れてしまう。
とろけてくれればいいのに。
このまま、わたしの中に。
蜜と熱で、トロトロになってくれたらいいのに。
切ない気持ちで、それをくわえながら、目が潤んでいく。
彼の心がわかる。
フェラチオをしながら、わたしは、彼の裸の心をしゃぶっている。
わたしの心が、すべて読まれる。
わたしが何を望み、何を企んでいるのか、すべてが明らかにされてゆく。

