この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
くちづけを待ってる
第1章 読み切り短編

やがて彼は、デスクの上で股間を広げてグッタリしているわたしの前に立つと、もう一度、顎に指を当て、うつむいた顔をあげさせる。
こころの底から、いとおしい顔。
あなたの顔を見上げて、うなづくのが精一杯…。
なぜか、涙腺がひしひしと熱くなって、口にしなくても、気持ちは伝わる。
彼は、自分のものを手にとって、腰を寄せて。。
すっかり濡れそぼった、わたしの割れ目に添える。
硬い先端がそこに当たり、わたしの花びらが、やさしくそれを迎え入れる。
ぁん…。
入ってくる…。
固くて、愛おしい、彼自身が。
あぁぁっ。
き、気持ちいい…。
何も考えられない。
自由になったお口に、彼の唇が近づいてくる。
わたしは舌を差し出す。
どうか、舌をからめて下さい…。
どうか、くちびるを寄せてください…。
とても切ない願い。
そしてわたしたちは、性器を寄せ合って、快感をシェアしあいながら、たがいの唇を合わせて、言葉を失くする。
わたしたちの間には、もう、なにもない。
あやふやで頼りがいのない言葉などうち捨てて。
わたしたちは、とっくりとくちづけしあう。
心の底まで互いに明け渡して。
わたしたちを隔てるものなど、もう、なにひとつない。
なにひとつとして、ありはしない。

