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スレイブ・プレイ! 氷華女子大学アイスホッケー部 愛奴化計画
第8章 氷上の女薙刀士の敗北、許されざるディープキス
パックを運んで敵陣を滑走する味方三人に目もくれず、自分目掛けて突進してくる氷裂の両ウィング。
通常見られない動きに戸惑いを覚えるも、それなら相手にしなければよい。彼を置き去りにして。このまま自分も敵陣に行くだけのこと。
アイスホッケーは選手同士がぶつかり合う激しい競技だが、基本的にはパックの保持者以外へのボディチェックは禁じられているのだ。この二人の行動には意味がない。
その思い込みが仇となった。咲良の間違いは、彼らがまともなゲームをしようとしていると前提したことだった。
「いくぜ、キョージ!」
「おうっ、キョーイチ!」
氷裂の双子プレイヤー、ツインウィングの狩野兄弟が、息ピッタリのスケーティングで、咲良の前で左右に散開した。
カッ! カッ!
低空を滑って伸ばされた二人のスティックのブレイドが、咲良のシューズのエッジの隙間に引っかけられる。
「キャッ!」
「「おらあっ!」」
男の二人の力で思い切り背後へと引き摺られ、それでも倒れなかったのは咲良の身体能力……優れたバランスの賜物か。
ドカアッ!
しかし、それでもそのままゴール裏の外周ボードへと吹き飛ばされる。
「かはっ!」
したたかに背を打って、咲良は息を詰まらせた。