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スレイブ・プレイ! 氷華女子大学アイスホッケー部 愛奴化計画
第8章 氷上の女薙刀士の敗北、許されざるディープキス

 肘から手までの長さを「前膊(ぜんはく)」という。丁度その長さが、握りから下に余分となるように。アイスホッケーとはまったく違う薙刀特有の「前膊を残す」握りだ。

 前に突き出した肘を水平にして、利き手の手首は相手側。遠心力とブレイドの重さを利することで、女でも男以上の殺傷力を発揮せしめ、そのリーチで敵を寄せ付けない。その起源は遠く源平の時代でありながら、現代まで生き残り、綿々と受け継がれてきのは故なきことではない日本の伝統武芸。一対一の戦闘においては最強の兵器、薙刀!

 二人に対して半身に構え、咲良は古式のっとった名乗りを上げた。

「我こそは亜之城流薙刀術家本……亜之城咲良。参りますっ!」

「なんだ、コイツはっ!」

「監督の話、聞いてなかったのか! 変な武術をやるって言ってただろ!」

 兄弟たちが言葉を交わす。

(ということは、これは計画された行動と言うわけですわね。もしかすると、ユニフォームが紛失したのも、彼らの企み……?)

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