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社内恋愛のススメ
第10章 episode 2 ー社外業務ー
寝室に入り、ベッドのサイドボードにお盆を置き、部屋の明かりをリモコンで調光して暗めに点ける。

樹さんのクローゼットを勝手に開け、羽織れそうな厚手のフリースを見つけて引っ張り出す。

「樹さん、起きられる?」

声を掛けて上半身を起こして貰い、フリースを羽織らせて背中に枕を挟む。

「スゲェ重病人みたいだな…」

「しんどいんだから、これくらいしないと」

寝室には椅子がないから、私もベッドに腰掛けて上半身をねじる感じで、樹さんに向かい合った。

小鉢に雑炊を少し取り、梅干しを崩しながら、ふーふーして食べさせてあげる。

「なんか恥ずかしい。自分で食うわ。」

「この方が彼女っぽいでしょ?はい、あーん」

目を逸らしながらおずおずと小さく口を開ける樹さんがカワイイ。

こんな樹さんの姿、会社の誰が想像出来るだろう?
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