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社内恋愛のススメ
第2章 社内恋愛のお誘い
北川さんはニヤリと口角を吊り上げて、

「子孫を残す為に女とは結婚しなきゃいけない。でも、女は戦場には連れて行けないだろ。まぁ性欲の処理って目的もあったんだろうけど、生きるか死ぬかの瀬戸際で、身近に強い執着が必要だった、って説もあるんだ。だから、殆どの武将には小姓がいる。織田信長と森蘭丸は有名だな。」

それ、社内恋愛になんか関係ある話なの…?

まだ北川さんの意図が読めず、頭の中は疑問符でいっぱいだった。

「今の仕事は生きるか死ぬかって戦場じゃないけど、仕事も忙しいし、時間も不規則だ。事務仕事だって今の時間まで残業してんだからな。会社と家の往復で、仕事帰りに出会いを求めて街に繰り出す余裕あるヤツなんか居ないだろ。休みは休みで寝てたいし、下手すりゃ休日出勤だ。世俗と関わりが持ち難いって点じゃ戦場と変わらんだろ。空気もピリピリしてるし。そんな中で、身近に癒しや楽しみを求める事が悪いとは俺は思わない。」

…あ、そう繋がるのか。

「ま、俺もプライベートの垂れ流しは避けたいタチだ。会社で気まずくなるの判ってるし」

「そうなんですよ。オープンにすることで得られるメリットより、デメリットの方が絶対大きいと思いません⁉︎」

「だから、バレなきゃいいんだろ?…俺と、試してみる気ない?バレない自信、あるよ?」

は⁉︎

北川さんの言葉の意味が飲み込めず、目をぱちぱちさせてしまう。

「俺と、付き合わないか、って言ってるんだけど。」


はあぁっ⁉︎
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