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瞳で抱きしめて
第4章 不意討ち
「樹理さんが俺のこと一人の男として見れるようになったら、恋人にして…それまで、候補でいいから…意識してほしい」



そんなに切なそうな顔をされたら、拒否なんてできない。


泣きそうに歪めた顔で「嫌?」と聞かれて、私は思わず頭を振った。



「━━━━よかった…!」



私の答えを理解した瞬間、光は表情を緩めた。


いつもの、光の顔だ。


瞳の束縛から解かれたような感じがして、私の身体からもいくらか力が抜ける。



「ごめん、樹理さん」


「え?」



話の流れ的に、「変なこと言ってごめんね」という意味だと予想して顔を上げた私に、告白以上の不意討ちがかまされた。



「我慢できない」



「…!!」



強い力で光に抱きすくめられ、頬にキスされた。


新品のブレザーの生地の香りに包まれる。



すぐに身体を解放されたものの、私は呆然と突っ立っているしかなかった。


一方光は、何かかが吹っ切れたようなスッキリした表情で微笑んでいる。


告白直後と、心理的な立場が逆転しているのが一目瞭然だった。



「恋人候補になったからには、俺もう抑えないよ。…覚悟してね」


今まであまり気になってなかった光の身長が、ここにきてとても大きく感じた。

出来の良い弟というイメージが、この数分間で粉砕される。


「樹理さん、この飲み物運んじゃおう」


光はいまだに目を丸くしている私を促して、颯爽と店へと戻っていった。
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