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瞳で抱きしめて
第6章 元カレ
真理から光に湊斗のことを話したということの大筋を聞いた私は、



「そう…話しちゃったの…」



と呟いて頭を抱えた。



通りでここ数日、光のスキンシップが激しかったわけだ。


きっと湊斗に対して勝手に嫉妬心を燃やしていたのだろう。



「でもさ、話しておいた方がいいとおもうよ。光ちゃん、お姉ちゃんのことすごく本気じゃん。言わないままだったら、きっと実際湊斗くんに会ったときに色々爆発しちゃうと思うし」



「…真理はやっぱり気づいてたんだね」



「そりゃーね」



にっこり笑う妹を、私は空恐ろしく感じるのだった。



「光ちゃんの全身からお姉ちゃん愛してるオーラ出まくりだもん!」



楽しそうに笑う真理は、こんなことを私に聞いてくる。



「お姉ちゃん、光ちゃんと付き合うの?」



飲んでいたコーヒーをおもわず吹きそうになって咳き込んだ。



「あんたね…それは」



ゴホゴホと咳き込み、落ち着いて息をつぐ。



「うふふ。冗談冗談。聞いたよ、光ちゃんから。恋人候補だって。認めてもらうまで頑張るんだって。」



「あ…そ…」



「私は、光ちゃん応援しちゃうけどね」



真理は不意に真剣な顔をしたかと思うと、すぐにもとの楽しそうな表情に戻る。



「お姉ちゃんって光ちゃんといるとき、自然体だもん。そういうのって、良いと思うなー」




「…」



どこまでも、鋭い妹だ。


少し観察しただけで、どこまで人の心を見透かしてしまうのだろう。



「あ、話戻るけど」



空のコーヒーカップをシンクに運びながら真理は言った。



「明後日、湊斗くん新しいアパートの荷物の整理、良かったら手伝って欲しいって。お店定休日だし私と雄介も暇だから3人で手伝いに行こ?」
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