この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
瞳で抱きしめて
第1章 家出?
━━━━━*


「着いたよ」


「え、ここって」


「うち店やってるの。どうぞ」



樹理に促されるまま入ったそこは、小さなコーヒーショップだった。

光も何度か店の前を通ったことがあった。

樹理の家は、案外光の家の近所だったのだ。


中に入ると、カウンターが4席と、小さなテーブル席が2席。いずれも空席で、店内には珈琲の香りが漂っていた。


「お姉ちゃん!!遅いよ!もう17時すぎちゃってるんだけど!」


店の奥から出てきたのは、樹理とは対照的に、ゆるくウェーブのかかった髪を明るく染めた華やかな印象の女性だった。


「15分しか過ぎてない。予約は19時なんでしょ?十分間に合うじゃん」


「待ち合わせが半なの!もー!私もう行くからね!……て、どちら…?」



慌ただしく店を出ていこうとした妹は、姉の後ろに立っていた泥だらけの少年を見つけて動きを止めた。



「え、怪我してる?え?どうしたのこの子?お姉ちゃん?」


「拾った」


「「え?!」」


思わぬ言葉に光も妹と同時に声をあげる。


「大丈夫だから。ほら、もう行くんじゃなかったの」



「あ…うん。じゃあ行ってくるけど…」



その子どうするの?訝しげな目を姉とその隣のボロボロの少年交互に投げ掛けながら、それでも時計を気にして妹は出ていった。



「今のは妹の真理。こっちへ来て」


更に促されて店のカウンターの奥にあるドアを開くと、そこから先は自宅のようだった。


樹理は光を脱衣場へ連れていくと、ジャージとタオルを手渡した。


「そこの戸開けると風呂場だから。汗と泥、流してきなよ。ジャージは私ので悪いけど。じゃあ、店の方にいるから」



それだけ言うとドアを閉めて行ってしまった。
/107ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ