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その恋受け取ります
第5章 事件勃発!
立川店には開店時間を5分ほど過ぎたくらいに到着した。
まずは悠月を車で待たせて一人店に入る。
店のスタッフと会うのは初めてなので、挨拶をかわしてから今回のミスを謝った。
「次からはこううまくいくかわからないから次回からは気を付けてくださいね」
未和より10歳も若い店長は、棘はないがしっかりとした口調で答えた。
それから10分ほど経った頃、スマイル運送のトラックが店の前に止まった。
立川店のスタッフが受け取った荷物を急いで悠月の車に運ぶ。
スマ送のトラックが出たすぐ後に悠月は車から降り、未和の元へと駆け寄る。
その様子を見ていたスタッフたちは、みないっせいに甲高い声をあげた。
「岩倉さんの彼氏ですか?」
悠月の周りを取り囲むようにして若い女子たちは好奇の視線を送りつける。
そんな状況にはなれたものと言わんばかりに悠月は、
「今はまだ友だち、今は、ね」
余裕綽々な態度でさらに女子をあおり立てる。
未和は、泡でも吹きそうな顔で固まっていた。
「ほら、岩倉さん、次行かないと」
「あ、は、はい!]
男女のどうのこうのに気を取られている場合ではない。
早く鎌倉店に向かわなければ、という現実に背筋を伸ばした。
スタッフたちに慌ただしく挨拶して早々に車に乗り込む。
いざ鎌倉にむかって車は軽快に滑り出した。