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その恋受け取ります
第6章 今度は恋の事件・・勃発!
「あの、聞いてもいいですか?」
2人の間をすり抜ける風の流れを目で追ってから、未和は悠月と視線を合わせた。
「平野さんみたいな男性ならとっくに相手がいると思うんだけど・・」
その質問に悠月はフフッと笑った。
「オレね、28の時に結婚するはずだったの」
「え!そうなんですか?」
未和は自分の目が丸くなっているのがわかるくらい、驚いた。
「だけど式の一週間前になって彼女、式を止めるって言い出して。
オレも一気に脱力してさ、で、止めたんだ。
それからはもう結婚なんか考えなくなった。
適当な相手と適当に付き合ってさ」
思いもよらぬ内容に、気持ちは全然まとまらない。
ただ、悪い事を聞いてしまった、という事だけは解っていた。
悠月は続ける。
「だからね、本気で好きになることもなくなった・・
出会っても感じないんだよ、この人だって。心が動かなくなった・・
久しぶりなんだよ、こんなに興味持ったの」