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愛し愛され
第3章 腰元のVサイン



運河沿いのホテル。

ラジエター・ヒータがやさしく温めてくれる小粋なお部屋での、あまやかな時間。

博人はその年若い彼女の、張りのある肌をとても愛おしく思っていた。自分と同年齢の女性たちの、しっとりとした深みのある肌も素敵だったけれど、こんなに若い女性のはち切れそうな肌もまた、自分を奮い立たせるのだと思った。

何度かの性交渉の後、彼は自分がこの年若い女性を性的に満足させているという事実に気がついた。彼自身はそんなにセックスの経験が豊富なわけでも、また技術に明るいわけもなかったけれど、それでも成熟したひとりのオスとして、この若い彼女の十二分に性的に満たすことができるのだ、という発見をした。

それは、なんというか、意外な発見だった。

自分自身がそういう歳になったのだ、ということもあろうし、また、然るべきパートナーとならば、そういう気持ちを持つことができるのだ、ということもまた、新たに気づかされたことだった。まるでファンタジーのようだった。それはいつも、思いがけないギフトのように、自分を変えてくれる。それは、モノトーンの日常に光をあて、鮮やかに目を見開かせてくれる。真冬の最中の恋だったけれど、彼の心は春のように時めいていた。

セックスが終わってシャワーを浴び、服を着てトレンチコートのベルトを結び直すと、年若い彼女はリラックスした表情で部屋を出る。

博人がその手を取って、小さな古いホテルを出て歩く時、彼は彼女のことをとても愛おしく、誇らしく思った。こんなに素敵な女性が、自分に恋をしてくれているという事実が、彼に思いもかけない歓びをもたらしてくれた。



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