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愛し愛され
第4章 ペチカ燃えろよお話しましょ

理解に苦しむことはいくつもある。
子どもたちを寝かしつけてから、さほ子は風呂に入る。
夫は今夜も遅いようだ。ウィークデイの間、子どもたちが夜に夫と会話することはほとんどない。考えてみれば淋しい話だ。自分達の、おそらくは標準より上に位置する生活水準を維持するため、仕方のないことだとはいえ、日々の暮らしの中で父親の存在の薄さは、何事にも替えがたい欠損だ、と思う。
それを当然と考える夫の、想像力の欠如も彼女の理解に苦しむ点だ。
ぬるめの、水量の少ない風呂にゆっくりとつかりながら、理解に苦しむことについてさほ子は考える。

