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愛し愛され
第7章 夕暮れのくちづけ



肩を並べて歩きながら、さほ子は自分がとてもリラックスして話ができるのを感じていた。そしてなにより、歩く早さに気を使わなくていいことに気づいた。何度も彼と一緒に歩いていたのに、いまさらのように、そのことに気づいた。他の誰ともちがう、博人のリズムが心地よく、自分と同調している、と彼女は思った。



港を一望できる公園は、小さな丘に面して作られている。

その丘には、アメリカから輸入した、真冬でも枯れない芝生が植えられている。市の自慢の公園だ。青々としたその芝生の上を、ふたりは丘の上にあるベンチを目指して、のんびりと歩いていた。



さほ子は、博人の手をとった。大きく、温かい手のひらだった。

博人はその冷たい手に、驚いた。さほ子は自然に彼の手をとると、博人の着ていたダッフルコートのポケットの中に、ふたりの手を差し込んだ。

「寒いんだもん」と、彼女は言って、小さく微笑んだ。

博人は苦笑を返した。



ふたりはベンチに着いた。

そこに腰を下ろして、港を見下ろす。

左右の腕を身体の前に伸ばし、両腕で円を描くような形に伸びた半島。その両腕に抱えられるように広がる、湾。外洋から守られて、波の穏やかな港が広がっていた。

貿易港でもあり、軍港でもあるこの港は、冬の弱々しい午後の日差しを浴びて、金色のゆるい逆光の中にあった。

おだやかな波がいくつも陽光を照り返し、ふたりの顔をきらきらと染めた。

さほ子も博人も、その緩やかなまぶしさに、目を細めた。


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