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愛し愛され
第7章 夕暮れのくちづけ


「ねぇ?」とさほ子が口を開いた。

?、と博人は彼女の横顔を見た。

片手をかざして、ゆるく目を射る光をさえぎりながら、その美しい横顔の女は、言った。

「いまでも、あたしとセックス、したい?」



さほ子には、他に、選べる言葉がなかった。

いつかのように、言外に博人に抱かれたい気持ちを込め、言葉の外で彼を操るようなことは、もうできなかった。

かといって、いつかの軽口のように、その言葉を言うこともできなかった。

自分にとって都合の良くない時間を選び、ホテルなども近くに全くないここを選んだ彼の言動を見ても、彼がもはや、いつかのように、彼女を求めていないのだ、ということがさほ子にはわかっていた。

わかっていた。

わかっていたけれど、その気持ちとは関係なく、さほ子は自然にそう、口に出していた。


冬の海が、金色に揺れていた。



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