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悪魔のささやき
第3章 幸せの日々
週末、2度目の食事を済ませて店から出たところで

『ん』

そう言って差し出された左手に、私の右手を重ねた。


大好きな人と手を繋いで、互いの話に笑いながら夜道を歩いてるなんて、数日前には考えもしなかった事。

それに今日は、今から川村さんのマンションに行く。


私も経験がないわけじゃないから、それがどういう意味か分かる。

いざという時の為に、昨日慌てて下着を買いに行った。


だって私も普通の女だもん。

好きな人に抱かれたいって思うのは当たり前の事。









『どうぞ上がって』

はじめて入った川村さんの部屋は、シンプルでそれでいてお洒落で綺麗に片付けられていた。

『そこ座ってて。』

リビングにあるソファ、その前にローテーブルがあって、私はその間に正座して座った。
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