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猫好き男子と大人な部長
第13章 青天の霹靂
 無言のまま屋上に出た三人。

 空にはまだ夕暮れの気配はなかった。

 すぐに篠宮が話を切り出す。

「単刀直入に言いますと……修馬君と私、お付き合いすることになりましたので」

 言葉も出ない架恋だったが、架恋の言いたいことを代弁するかのように瑞穂が言った。

「そんなはずはないでしょ。宮沢君は、架恋……石橋さんと付き合ってるんですから」

「私、その噂を全く信じてなくって。てっきりデマだと思ってたものでして、もし本当だったなら申し訳ないです。でも、私が修馬君とお付き合いしているのは本当です」

「それこそ、デマなんじゃないですか?」

 険しい表情で言う瑞穂。

 瑞穂がこういう厳しい態度を見せるのは滅多になく、少なくとも架恋の前では初めて見せる姿だ。

 架恋はいまだ混乱のさなかにいたが、心ひそかに瑞穂に対して感謝していた。

 自分を守るために、瑞穂が戦ってくれているような、そんな気が架恋にはしていたので。




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