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猫好き男子と大人な部長
第13章 青天の霹靂
「気にかけてくださって、ありがとうございます。ちょっと今日は調子が良くなくて……。部長さえよろしければ、お言葉に甘えさせていただきますね……」

「うんうん、気にしなくてもいいからね。申し訳ないんだけど、ナビを操作してくれるかな。石橋君のおうちを行き先に入力してくれれば、ありがたい」

「あ、はい」

 架恋はカーナビを操作した。

 架恋が操作を終えたとき、顔は真っ直ぐ前を向いて運転に集中しながら高倉が言う。

「多分、部下に対してこういうプライベートに立ち入るようなことを言うのは、あまり褒められたことではないんだろうけど……。何か悩み事があるなら、いつでも私に言ってくれていいからね。もちろん、言いたくないようなことは、一切言わなくていいから」

 架恋はすぐに、高倉が自分の事を心から心配してくれているんだと理解した。

 その上で、気遣いからか直接的には詳細を聞いてこない高倉に対して、感謝と尊敬の気持ちが湧いてくる架恋。

 やはり高倉は人間的にも尊敬できる人だ、と架恋は改めて思うのだった。




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