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猫好き男子と大人な部長
第14章 過ちを悔いる猫好き男子
「私のために、何でもしてくれるの?」

「うん、もちろん。俺に出来ることなら、何でも。ただ……」

「ただ?」

 架恋が先を促すと、苦渋に満ちた顔で修馬が答えた。

「『じゃあ、別れて』ってのだけは、やめてくれ。それは……『俺に出来ること』ではないから……」

 自らの前非を悔いて苦しむ修馬の様子を見ていると、架恋は心が痛くなってきた。

 修馬の右手薬指にて光を放つ、想い出のリングも、架恋の心を揺さぶっている。



 だが、自らも傷ついたことは確かなので、そのことを思うと、言葉がなかなか出てこない架恋。

 架恋は半ばやるせない気持ちに襲われて言った。

「別れる以外なら、どんなことでも? じゃあ、例えば……今の仕事をやめたり、全く知らない土地に移住して私と二人で一からやり直したり、そんなことでも?」

「もちろん。転職と移住ってことか……このあと仕事情報誌を買いに行くよ。そこが一番大変だから、何とかしないと。新しい仕事さえ決まれば、すぐにアパート探しをして、そのあと辞表を提出しようと思う。それでいい?」




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