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猫好き男子と大人な部長
第14章 過ちを悔いる猫好き男子
 たとえ話として持ち出したことを、完全に真に受けられ、架恋は焦って否定する。

「あ、その……あくまでも、たとえ話だから!」

 ただ、そうは言いつつも、自分の言うことを今にも本気で実行しそうな修馬に対し、真摯さと誠意を存分に感じ取った架恋。

 営業部で好成績をおさめており、同僚とも良い関係を築いていると噂の修馬だが、「築き上げてきたその全てをなげうってでも、架恋を取り戻したい」と切実に思っていることが架恋にも伝わった。

 修馬は安心した様子も、「じゃあ早く本当の願いを言ってくれ」と急かす様子も全く見せず、相変わらず架恋の目をしっかり見つめて言う。

「そっか、でも本当に望んでるのなら、遠慮なく何でも言ってほしい」

「ありがとう……。でも、そんな、すぐには何も思いつかないし、無理に何かしなくても……」

「俺は架恋のために、何かしたいから。思いついたときでいいから、何でも言いつけてくれ。もちろん、何かしたところで、それだけで架恋に許してもらえるとか甘い考えは抱いていないけど……それで少しでも架恋の心が軽くなるのなら……何かしたい。ほんの僅かでも、罪滅ぼしを」

「う、うん……ありがとう」




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