この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Beautiful Smile~不器用な愛~
第4章 出逢


「俺は、奥さんのことも子どものことも無条件に愛してるから裏切ったりせえへんで。それに、君も自分のこと大切にしぃや」

「っ……」

「もうすぐ終電だから、早く帰らなアカンで」

 男は羽織っていた汚れたパーカーを私の肩にかけると去って行った。

「っ……ふぅっ…」

 次から次へと涙が溢れてくる。私のことを横目にチラッと見るだけで通り過ぎていく人並み。そんな中で私に目を留めてくれたあの人。胸の奥底のほうに温かいモノが広がった気がした。鞄の中でぐしゃぐしゃになったお札を見て、本当は一体これに、痩せることになんの価値があるんだろうか。   

 私はフラフラと立ち上がって、駅のトイレの個室に入る。

 ――ツゥ。

 ポケットに常備しているカッターナイフで新しい傷を作った。価値などなくてもいい。それでも私は生きているのだ。

 逃した終電。ケンジに迎えに来てもらって、家に帰った。

「だから……いつでも入っていいって言ってるのに」

 家のドアノブには、遠慮がちにビニール袋がかかっていた。透からだ。
/91ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ