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Beautiful Smile~不器用な愛~
第13章 美笑

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「ただいま」

「おかえりなさい」

 家に着くと帰ると透がいる。それだけで心がふわっと温かくなる。明日は言おう、また明日と今まで逃げてきたが、今日は……今日しかない。

「あのね、透、今から大事な話をするね」

「えっ、あ、はい」

 透はエプロン姿で驚いた顔をする。

「私ね、透に好きな人がいるって分かってる。分かってるけどね、透のことが好き。ケンジに別れを告げられた次の日のあの時に気づいたの。あの後、凄く不安定でめちゃくちゃだったのに透は私のことをずっと支えてくれた。

花さんにも本当は私から連絡入れなきゃいけないのに、透が私のことちゃんと説明してくれて、私の気持ち話してくれたおかげで仲直りできたの。ありがとう。私、透のことを独占したくて、誰にも渡したくないの。

私と透じゃ頭の面とか色んなことで釣り合わないっと思う。透はあの頃と違って、かっこよくなった。何も背が伸びてとか見た目の話とかじゃなくてね。

わがままだって分かってるけど、私、透が他の女の子の隣で笑うのなんて嫌だよ。私、頑張るから。リストカットと過食嘔吐は中々すぐには無理かもしれない。それでも、透のおかげで体を売るのは辞められたよ。だから、好き。透のことが好き――。とうしようもないくらいに好き」


 好き、好き、好き。溢れる気持ちは抑えられない。私の涙を拭いてくれる透の目からも大粒の滴が零れ落ちる。
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