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Beautiful Smile~不器用な愛~
第13章 美笑
***
終わってから一緒にお風呂に入り、透が作ってくれたオムライスを食べた。透は荷物を取りに帰ると戻ってきた。今夜は家に泊まるようだ。透の腕枕が心地よい。こんな風に二人並んで眠る日が来るなんて、あの頃は思わなかった。
「透、あのね、最近、考えたことがあるの」
「なんですか?」
さっきまでの意地悪な透はいない。あれは幻だったのかと思うが、今、こうして隣で寝ていることで事実だと実感する。
「私、透のおかげで将来の夢を見つけることができたの。私みたいな人を救いたい。カウンセラーになりたいんだ。だから、来年は高校受験をしようと思う。通信制の高校に行きながら働いて、専門学校費を少しでも稼いで……私、逃げてばっかりじゃくて、頑張るよ」
「いつだって僕は、ミキさんを応援しています。誰よりも美しい笑顔を、僕たちの不器用な愛を守るために」
透は優しい目で微笑んで、いつものように私の頭をくしゃっと撫でた。私だけの大切な人。もう迷わない。否、たとえ迷っても二人なら乗り越えていける。透の美しい笑顔をいつまでも見る為なら――。