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Beautiful Smile~不器用な愛~
第16章 【短編】嘘つきな臆病者
***
「久しぶり」
「久しぶりだね」
いつもの電車。いつもの時間。今日の彼は清々しい笑顔だ。胸がズキンと痛んだ。
「色々、アドバイスしてくれてありがとう。彼女と付き合うことになったよ。僕のことが好きだって言ってくれた」
「良かったね。幸せになってね。実はさ、私も彼氏できたんだ」
「そっかぁ。良かったね!おめでと」
「ありがとっ!」
私は精一杯笑った。
「これから彼と一緒の電車に乗るからもう会えないと思う。それだけ言っとこうと思って、会えるの待ってたんだ」
「そっかぁ。なんか、ごめんね。キミも幸せになってね」
「うん、幸せになるね」
笑顔で手を振ってバイバイってした。彼の背中が見えなくなる。