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欲情三分間〜ヨクジョウサンプンマ〜
第3章 ××××××××
時計を見ると9時半。



カナダさんの話を半ば流しながら聞いていた俺は、
『ちょー、早めにサノさんトコに安定剤行ってきますわ』
と抜け出す。




暗い病棟(消灯時間が夜9時なのだ)を歩く。


サノさんは一人部屋だ。


『失礼しまーす。
サノさんー?安定剤もう飲んじゃいますー?』


カーテンレールを捲ると、
サノさんはベッドに潜り込んでいた。


(眠れたか)


じゃあいいかなと踵を返した瞬間だ。

『ん…………は、はあっ…………んー』

おしころしたようなうめき声がした。



(うなされてるのか?)


_____暗がりのなか、
サノさんの白い肌が光った。


『んっ、くぅっ…………あ、はっ………』


ガサガサとシーツが動く。


俺は一瞬『?』と思って、
すぐに気づいた。



半分眠ったまま、
しているのかもしれない。


見ちゃいけない場面を見た気がする。
病室を出よう。


____と、思ったのに足が動かない。


『ん…………んくっ…………はあっ、んっ』
うめき声に混じり、
クチュクチュと粘っこい音がした。



鼻息が荒くなる。
下半身が熱くなっていく。
看護服のズボンを下げたい。



____カナダさんが不審に思うかもしれない。

そう考えたのは一瞬で、
俺はズボンをトランクスごと下げた。


握って、
上下に擦る。


『ん、ああっ…………んくっ………ん、』

シーツから聞こえる喘ぎ声に、
俺は目を閉じてひたすら右手を動かした。










夜がまた一日過ぎてゆく。

















〔終〕
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