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欲情三分間〜ヨクジョウサンプンマ〜
第1章 〜〜〜〜〜〜〜
「そうだ、
伽奈の写真があるんですよ」


幸成はカバンからごそごそスマホを取り出した。


「まぁ、かわいい!
やだわ〜〜〜、うちの娘がどれだけがさつだったかよく分かっちゃうわね(笑)」

幸成は愛娘が走って転び、嫁の掛け声とともに起き上がり再び駆け出す様子の動画も見せた。


「しっかりしてるのね。
うちの娘たち、
ちゃんと生活してるのかしら…………」


「あまり連絡しないほうなのですか?」


「2人で居るから尚更かしら?
遊び呆けてますわよ。
帰省する前だけ連絡がくるんですから……」


あー呆れちゃう…
と早苗は右手指先で小さなチョコレートを摘んだ。そのまま口元に持っていく。唇に充てるようにし、前歯で噛む。


赤い唇から覗く白い歯は優しく強くチョコレートを割った。

「あ。
ダ・カーポ」


「え?」


「いえね、
このチョコレートの名前を思い出したの。
確か〔ダ・カーポ〕だったんですわ」


「へぇ。音楽家が、好んだのかな………」


カリッと硬い舌触りに、
濃いカカオの風味。

抹茶とは和洋折衷?なのか………
意外と合う。


(早苗の天然っぷりは変わらずだなぁ)


抹茶とイタリア製のチョコを出す辺りが、
早苗そのものである。


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